プレッツェルには大きく分けての2つのタイプがあります。
今回は、ドイツで伝統的に食べられている「パン」タイプについてお伝えします。
- パンタイプ(Brezel/ブレーツェル)
- ドイツで伝統的に食べられている、大きくて柔らかい食感のプレッツェル。焼きたてをそのまま食べたり、バターを挟んだり、チーズやソーセージと一緒に食べたりします。
- スナックタイプ(Pretzel)
- 北米を中心に普及している、小さくて硬い食感のプレッツェル。
プレッツェル(パン)とは?
プレッツェル(ドイツ語:Brezeln)とは、ドイツ発祥の焼き菓子やパンの一種。
小麦粉とイーストを主原料とする生地を焼いて作られて、表面に塩がまぶされていることが多く、特徴的な結び目の形をしています。
塩味のものが一般的ですが、シナモンシュガーやチョコレートでコーティングされた甘いものやチーズ、ハーブなどが練り込まれたものもあります。また、伝統的な形は結び目ですが、スティックやリング型のものもあります。
プレッツェルの生地は、焼く前にアルカリ性の水溶液(ラウゲン液:水酸化ナトリウムや重曹)に浸すことで、焼き上がりに独特の風味と濃い茶色の光沢が生まれ、このラウゲン処理が、プレッツェルを他のパンとは一線を画す存在にしています。
独特の形状と製法、そして長い歴史を通じて、ドイツの文化と食生活に深く根付いた伝統的なパンと言えます。
プレッツェルの形の由来
プレッツェルの独特な結び目のような形には、いくつかの由来に関する説があります。
祈る腕の形
最も有力な説は、7世紀頃(610年頃)に南フランスまたはイタリアのキリスト教の修道士が、祈りを覚える子供たちのために余ったパン生地を腕組みの形(腕を交差させて祈る姿)に焼き、「Pretiola(ラテン語で小さなご褒美の意味)」と呼び、聖書の暗記を頑張った子どもたちへのご褒美として与えたのが始まりと言われています。
この「Pretiola」が、のちにドイツ語で「Brezel(ブレーツェル)」と呼ばれるようになったと考えられています。この説は、プレッツェルが宗教的な背景を持つことを示唆しています。
三位一体の象徴
プレッツェルの3つの穴(結び目の部分にできる空間)が、キリスト教の三位一体(父なる神、子なる神、聖霊)を象徴すると考えられていました。プレッツェルはキリスト教徒にとって「神聖なパン」とされ、中世の修道院で特に大切にされました。この説も、プレッツェルが宗教的な意味合いを持っていた可能性を示唆しています。
14世紀には、教会の祝祭や四旬節(Lent)などで食べられる伝統ができました。
中世のパン職人のシンボル
12世紀頃になると、プレッツェルはドイツのパン職人(ベーカー)の間で人気となり、
中世のドイツでは、プレッツェルの形がパン職人のギルドのシンボルマークとして用いられていました。この説では、形状の由来は直接的な意味合いというより、職業を表すための象徴的なデザインとして生まれたと考えられています。「繁栄と幸運の象徴」として、パン屋の看板や紋章にプレッツェルの形が使われるようになりました。現在でもドイツのパン屋で見ることができる伝統的なデザインの一つです。
これらの説はあくまで推測であり、正確な起源を特定することは難しいとされています。複数の要素が組み合わさって、現在のプレッツェルの形になった可能性も考えられます。
いずれにしても、プレッツェルの独特な形は、長い歴史の中で「信仰・幸運・絆」といったいを持ち、人々に親しまれてきたことは間違いありません。
プレッツェルのあるシーン(楽しみ方)
日常食
パンタイプのプレッツェルは、現代でもドイツの人々の日常食として親しまれています。朝食、昼食、軽食として、バターを塗ったり、チーズやソーセージを挟んだりして食べられます。キャラメル、ピーナッツバターなどと組み合わせて、おやつにも、おつまみにもなる万能な食べ物です!
ビールのお供
ヨーロッパでは伝統的に食べられており、ドイツではビールと一緒に楽しまれることが多いです。特に、バイエルン地方の食文化や宗教的な背景が色濃く反映されていて、ヴァイスヴルスト(白いソーセージ)やObatzda(オバツダ:チーズのディップ)といった郷土料理と共に、ビールのお供として欠かせない存在です。定番の塩味は、ビールやチーズと相性抜群です。
祭りやイベント
伝統的なドイツのビール祭り「オクトーバーフェスト」をはじめとするドイツの祭りやイベントでは、巨大なプレッツェルがよく見られます。
パン屋の誇り
伝統的なパン屋では、今でも手作りでプレッツェルを焼き上げており、その技術と味は職人の誇りとなっています。
プレッツェルは、修道士が作ったシンプルなパンから始まりドイツ文化の中で発展し、今や世界中で愛される伝統のパンとなりました。特に、バイエルン地方の食文化や宗教的な背景が色濃く反映されており、今でもビールやソーセージとともに、さまざまなシーンで楽しまれる歴史ある食べ物となっています。